アキラナウェイ

ローマの休日のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.0
【恥ずかしながら初めて観ます名作シリーズ】
第50弾!

お初にお目にかかります。
オードリー・ヘプバーン。
映画好きなのに、遠回りに遠回りを重ねてようやく。

あれでしょ?
ローマを訪れた王女がお忍びで街に繰り出して、新聞記者と1日楽しく過ごすんでしょ?
超有名作品だからこそ、あらすじだけは知っている。

でも、今回きちんと鑑賞してみて、知らなかった事や新たに気付いた事が沢山。自分で勝手に作り上げていたイメージと随分違って、思いの外楽しめた。

先ずはきちんとしたあらすじを。

某国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)は、欧州各国を表敬訪問中、ローマを訪れる。過密なスケジュールに嫌気が差した彼女は、密かに街に抜け出し、アメリカ人新聞記者のジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)と出会う。ジョーは、スクープをものにしようと、職業を偽り、彼女とローマの散策に繰り出す。

やっぱり度肝を抜かれるのは、オードリー・ヘプバーンの魅力。動き回るオードリー・ヘプバーンってめちゃんこキュートだし、思いの外おてんば娘でびっくり。鎮静剤を打たれた状態で抜け出してきたアンが、グダグダで笑える。

冒頭から、ジョーの部屋に転がり込んだアン。

まだ王女だと気付かないジョーのぞんざいな扱いも可笑しい。自分のベッドで眠り込んでしまったアンを布団毎ひっくり返してカウチに移動させるのとか、扱いが雑過ぎて笑う!!

てっきり2人だけでストーリーが展開するかと思いきや、友人のカメラマンであるアービングが彼らと行動を共にするのも面白い。アンの目の前で、スクープの儲け話をし始めようとするアービングを黙らせたいジョーが、何度も飲み物をズボンにこぼすシーン。随所に見られるコメディ演出が小気味良い。

アンは、美容院でバッサリと髪の毛を切り、
スペイン広場でジェラートを頬ばり、
ベスパに2人乗りで街を駆け抜け、
真実の口でジョーのドッキリに引っ掛かり、
テヴェレ川でのダンスパーティーで大乱闘。

観ているこちらも頬を緩めてしまう、楽しい1日。
次第に心惹かれる2人。

それでもアンは、王女に戻らなければならない。
時が来れば元の姿に。
それはまさにシンデレラ。

国と王家に対する任務を自覚していたからこそ、彼女は本来の姿に戻った。ジョーとの関係を続けたかったけど、そうはしなかった。彼女の王女としての姿は、およそ冒頭のそれとは違う。王女としての凛々しい立ち振る舞いの影に、ロマンスのほろ苦さが、残り香の様に醸される。

在るべき姿に戻ったアンとジョー。
そして、ライター型のカメラを取り出すアービングのお茶目さ。隠し撮りされた写真がどれも素敵でほっこり。

時を超えても、
オードリーの美しさは永遠に。