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フィールド・オブ・ドリームスのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

4.1
February 13th

Kevin Costner主演作品。
小説をきれいに長編映画に書き換えたなー。

ストーリーを見て見ると、想定外も想定外。変な声が聞こえて、自分の敷地の農場を野球場に変えてしまう。そこにあの人やこの人が集まる。なんとなくキャッチーなストーリーには聞こえない。自分も最初の30分ぐらいは、どういうテイストで進んでいくのか、テーマをどこに持ってくるのか全然わからなくて、逆にワクワクしていました。それでも、中盤に入ってからわかるのは、最初からのテイストをそのまま崩さず、小さな撒き餌をして行って、現実世界からKevin Costner演じるRayの世界観に少しずつ少しずつフェイドインさせられると言うこと。最後の最後まで、世界観にどっぷり浸かるような感覚はなかったのですが、フィクションとして大事な要素である、フィクションであり続けたことで、心地よい映画の空気感を感じられました。本当に小説を読んでいるようで、映画のために書かれた脚本とは違った軸の太さが感じられた気がします。小説では、前後左右にもっと枝分かれのあるストーリーなのかもしれませんが、それをカバーするフィルムの色合いとか粒子感とかが、今見ている自分にとってはとても良かったです。

特に最後のシーンなんかは、これがフィルムかーっというような、なんとも言えないアナログ感。フィルムは生きていると、いろんな意味で言われますが、ここで感じたのは、光に自然に反応しているフィルムの生命感でした。ダイナミックレンジも、いまだデジタルは敵わないし、レゾリューションなんかもまだまだ足元にも及ばない。この数字ではあまり見て取れない人間の目の感覚がフィルムの良さを最大限に感じられるんじゃないかなと思います。PanavisionのPanaflexはやっぱ最高だね。

ところどころ出てくる、MediumからのドリーズームでCUにもってくる、この時代独特の撮影技法がすこし気になったところもありましたね。そこでつかうーーって感じ。
一番好きだったシーンはドクターを説得しに行って、あかんかってTerrenceのいるホテルに戻ってくるシーンのあの完璧なトランジションは参考になりますね。
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