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最低のtetsuのレビュー・感想・評価

最低(2009年製作の映画)
3.5
今泉監督特集で1度拝見した後、DVDに入っている撮りおろし短編も観たくなり、2度、鑑賞。

女たらしの男・正雄に翻弄される姉妹。
そんな姉に片想いするストーカー男は浮気現場を捉えたDVDを送り...。

芹澤興人さんが、なぜかモテモテな一作。
バシバシ折られる携帯電話に笑いつつ、捻れた人間関係が爆発するクライマックスには後の今泉作品にも共通する"滑稽な言い争いシーン"の原点が見られる...。

女遊びの達人ともいえる男と、片想いを続けるストーカー男が対比的に描かれるため、愛の理不尽さを感じた。

また、特典映像のインタビューによると、かつて監督が吉本にいたという衝撃の事実が判明。

コミカルな作風の原点が分かり、「多くの名作にはコメディ要素がある」と分析しているコメントにはハッとさせられた。

DVDでは、
『最低』(上映時間:33分24秒)
『微温』(上映時間:43分48秒)
『足手』(上映時間:18分00秒)
の3作品が収録。

監督の原点が分かるという意味でも、日本映画ファンの方は、見ておいて損はない一作だといえるかも。


参考

「エリック・ロメールの映画なんて見たことなかった」今泉力哉監督が短編集『最低』に織り込んだ自然体の表現|石井裕也監督を輩出したアップリンク・ニューディレクターズ・シリーズの第8弾、リリースに合わせ特集上映も開催 - 骰子の眼 - webDICE
http://www.webdice.jp/dice/detail/2689/
(当時のインタビュー。)
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