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君とひとときのnagashingのレビュー・感想・評価

君とひととき(1932年製作の映画)
3.0
サイレント期の傑作『結婚哲学』のセルフリメイク。音が入るぶん当然情報量は増えるわけだが、にもかかわらず上映時間は短くなっているという不思議な作品。結果的にいくつかの重要なエピソードが刈り込まれることになり、残されたシーンがより感情豊かに、よりファニーに、よりコミカルに仕上げられている。歌はどれも楽しく、モーリス・シュヴァリエのフランスなまりの英語も耳に心地よい。オリジナルの完璧なプロットとシチュエーション、個性きわだつ配役などと比較すると相対的に色あせるが、差別化を図ろうという意思自体は評価できる。でも結局のところ、オリジナルを踏襲したセリフなしのやりとりの場面が一番おもしろいんだよなあ。
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