Kamiyo

死に花のKamiyoのレビュー・感想・評価

死に花(2004年製作の映画)
4.0
2004年 ”死に花” 監督.脚本 犬童一心

とても面白かった。
名優が集まる、この老いた名優たち。

出演は、宇津井健、青島幸男、長門勇、藤岡琢也、星野真里。松原智恵子の若さにびっくり、60歳には見えない。また、嬉しいのは、小林亜星の奥さんが芳村実子で、高橋昌也の奥さんが白川和子という往年の女優が出演。
ふと泣かせてくれる、なかなか味のある長老には森繁久彌。
前半で周囲をあっと言わせる見事な最期を見せる女性に加藤治子。

高級老人ホームでの仲間の死。そこからこの映画の話が始まります。
一人の友人の夢(?)を実現しようと、お金を惜しまずに楽しみながらやっているおじいちゃんたちを見ていると
こっちまで楽しくなりました。
男はいいよ~、いつまでも子供みたいに楽しめて・・・夢見ること

東京郊外にある老人ホーム“らくらく長寿園”に暮らす
元映画プロデューサーの菊島(山崎努)は、同じホームの
入居者・源田から遺品をもらう。
その中に、銀行の地下に穴を掘り、金を強奪すると言う奇想天外な計画を記した“死に花”と題されたものであった。

ひとりが急死して、彼が生前に自らの葬式を完璧にプロデュースし
見事な式に仕上げたことに、残った人々は感銘と刺激を受ける。
自分らしい人生の大団円を遂げた仲間の生き様を見て
自分は残された時間を一体どう生きればいいのか。
それぞれの胸にそれぞれの思惑が膨らむ。
その内圧パワーは、死んだ彼が残したひとつのプラン「死に花」に
夢中で取り組むことに集中していく。
それは銀行まで地下トンネルを掘り17億の金を奪うという計画で
私財を投じて掘削道具を揃え、4人だった仲間がなぜか途中7人に
なりながら悪戦苦闘の末、トンネルが完成。
祝杯を挙げる彼ら。しかしその晩に思わぬアクシデントが・・・。
それでもなんとか目的を達した7人は、しかし
「あること」に気づく。
それは死んだ仲間の彼が残した、最後の「味な仕掛け」で・・・。

しかし、突拍子もなく、非現実な設定が、見ているときにはあり、少しの戸惑いはあるものの、ストーリー展開がスピーディで飽きさせない
ありえないストーリーに細かい笑いをちりばめて
もう二度と実現出来ない往年の名優たちによる競演が見どころ
子供の頃から馴染んだ俳優さんたちが老いる姿を見るのも
実はかなり複雑なものがある。
自分の老化を見るのと同じに、受け入れがたいものを感じる。
ヒーローはやっぱり心のどこかでヒーローであってほしいのだ。
根底にあるのは、途中で出てくるセリフのとおり
「この世は楽しむために生きるべき。苦労はスパイス程度でいい」
という人生賛歌である。
人生の第4コーナーを曲がった人たちや、もしくは
第4コーナーが見えてきた人たちに、お勧めの1本と言える

みんないーんですね、個性的で。
そしてそれが奇想天外なことをやろうと結束するんですが
その老いた姿がまた滑稽なんですね
男というものは何歳になっても夢がある。
そんな素敵な話の映画でした。
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