南森まち

ハムナプトラ 失われた砂漠の都の南森まちのレビュー・感想・評価

3.6
古代エジプトで不死刑に処された神官を、歴史研究家たちが蘇らせてしまう…というお話。

公開当時に「最新SFXがすごい!!」といわれた映像は確かにすごかった。内容もコメディもオカルトも冒険もロマンスと盛り沢山で、とても楽しい。
しかし良くも悪くもインディ・ジョーンズシリーズの後継作品感が強すぎる。「最新技術でインディ・ジョーンズをやりました」な映画だと最後まで感じてしまった。

また、本作は個性あふれる多彩なライバル兼仲間たちが見どころ。しかし後半彼らはひどい目に遭い、亡くなったり呪いを受けたりしていく…。
それなのに、コメディ風の雰囲気は継続する。ルパン三世でいうと、銭形警部が壮絶な死に様を見せたけどルパン一行は相変わらずボケをかましているような状況。
いやいや、そんな状況でコミカルなことやられても笑えないよ…。

原題は『The Mummy』。タイトルの「ハムナプトラ」はたしかに「失われた砂漠の都」なんだけど、それほどストーリーには関係ない。何でこの邦題になった?
オカルト要素として「死者の書」とか出てきてエジプト感がある割に、対になる「黄金の書」とやらが唐突に出てくる、伏線もクソもない雑なストーリーなのもいただけない。これエジプト人が見たら首を傾げるのではなかろうか…。

見ようによっては、「協力してくれた現地人や外国人はみんな死んじゃったけど、俺たちは(海外の)古墳から黄金を略奪して帰れるから万事OKだぜ!」という、イギリスの感覚が前面に出ている内容でした。いやはやなんとも。