ガブXスカイウォーカー

荒野の1ドル銀貨のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

荒野の1ドル銀貨(1965年製作の映画)
4.0
町の実力者、マッコリー(ピーター・クロス)にだまされ、実の弟を撃ち殺してしまったゲイリー・オハラ(ジュリアーノ・ジェンマ)の復讐譚。
ゲイリーは顔を変え(髭を剃っただけなんだけど)、明晰な頭脳でマッコリーの部下たちを同士討ちへと追い込んでいく展開が面白い。
もちろん、なにかもかもうまいくわけもなく、ゲイリーは悪党どもに疑われ、リンチされ、同郷の仲間を殺され、妻をレイプされかけたりとひどい目にもあいまくる。だが、ことごとく機転を利かせ、窮地を脱して、逆転するのが爽快だ。今作は、ピンチと逆転のバランス構成がじつにうまいのだ。さらにジャンニ・フェッリオの音楽が盛り上げてくれるから堪らない。
主演のジュリアーノ・ジェンマは当時27歳くらい。美貌と若さだけでなく、演技力も身体能力も高く、主人公を哀愁たっぷりに演じて観客の目を引きつける。今作が出世作となったのも当然であろう。
今作は間違いなく古き良き時代の西部劇の傑作である。昨今、すっかり廃れた西部劇だが、ぜひ今作を観て、その魅力の一端を味わってほしい。


吹替えファンとしては、野沢那智、弥永和子、森山周一郎、北村弘一、上田敏也、飯塚昭三らが個性をいかんなく発揮している。レンタルDVDで観賞する時は吹替え版をお薦めする(ちょっと音質が悪いけどね)。