イチロヲ

荒野の1ドル銀貨のイチロヲのレビュー・感想・評価

荒野の1ドル銀貨(1965年製作の映画)
3.5
北軍の捕虜収容所から解放されて、妻と一緒に新天地を探し求めることになった元南軍兵士(ジュリアーノ・ジェンマ)が、町の権力者の策略に嵌められてしまう。南北戦争の終結直後を舞台にしている、マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。

ズル賢い権力者により不当に殺害された「弟の敵討ち」と「闇に葬られた人間のリベンジ劇」が物語の主軸。権力者が憎らしいほどの悪人像をもっており、戦後の混乱状態を巧みに利用しながら、暴利を貪っていくところが面白い。

主人公が再起を図るシークエンスにて、顎髭を剃っただけなのに同一人物だと気づかれないトンデモ展開がツッコミどころ。主人公のスーパーマンぶりにも笑えてしまうが、そこはマカロニ・ウエスタン流の傾奇者(かぶきもの)として楽しむべし。

個人的には、権力者とはラストまで対面しないままで、鮮やかな潜入工作を見せて欲しかったが、リベンジ達成に変化球が付けられているため、結果オーライとも言える。
イチロヲ

イチロヲ