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白夜のhoshikazukanjoのレビュー・感想・評価

白夜(1971年製作の映画)
4.5
ブレッソン作品って高確率で寝ちゃうからスクリーンから強烈なα派が出てるか、私と相性が悪いのか、いや私が未熟なだけなのか、まあこれらのどれかだなと思っていました。この作品をもっと早く観ていたらブレッソンの他作品に対する見方も変わったかもしれないくらい良かった〜。話の内容はロメールっぽいのだけど(だから私もハマったのかもしれない)、ロメールのような軽やかさはなくて、といっても重苦しいわけでもない、この絶妙なバランスはなんですか。ロメールはカラッとしているけど、ブレッソンはしっとりしている。湿度が違うのですか。

それにしてもフランス——とりわけパリ——はつくづく夜が似合う場所だなと思う(個人的にはイタリアが昼で、ドイツが朝。パリは夜だけでなく夕日も良いのだけどね!)。セーヌ川のまわりってこんなに青い光がたくさんあるんですね。ちゃっかり(?)トリコロールっぽい配色にもなったりしてる。反射して揺らいでる光が美しい。遊覧船やストリートミュージャンが、ただそこにある(いる)のがすごく良い。ダイレクトに関わるわけじゃないのに、彩りを与えてくれるから。たまたまそのとき観た光景や音が、忘れられないものになる。川映画の大傑作。夜に観て良かったな。
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