Jeffrey

白夜のJeffreyのレビュー・感想・評価

白夜(1971年製作の映画)
4.5
‪ ‪ ‪ ‪「白夜」‬
‪冒頭、ヒッチハイクする男。耿々するネオン街を歩く青年。目と目が合う、ヒールを脱ぐ女、橋から飛び降り様とする。アトリエ…本作はブレッソン映画の中でも超絶好きな作風で素人を起用した過去作でも本作でも、若者を中心に活躍させるスタイルは続く。本作では天体物理学を学ぶ学生やモデル‬を採用し撮影してる。物語は四夜に連なりポン・ヌフを背景に若者男女の出会いを描く。既に少女ムシェット等、孤独をテーマにした作風が目立つ彼の芸術は本作の冒頭から見て取れる。今にも身投する孤独な女やテープレコーダーにつぶやきを録音する男…そしてラストの残酷なまでの帰結…これには驚くばか‬りだった。原作はドストエフスキーで監督は過去作にも文豪の小説を脚色し映画化している。白夜と言えばもう一つヴィスコンティの白夜も名作だが本作とは対極的だ。彼の代名詞でもある手と指を捉えたショットにエロティシズム要素を加えたシークエンスは素晴らしく、この映画のファンになってしまう。‬強調される環境音、日本人には馴染み無いセーヌ川の辺りやヒッピーの描写、ボサノヴァを演奏するミュージシャン、ライトアップされた船が橋下を渡る場面、肩に手をかける、水面への照明、光の反映、ネオンの煌々と街の寒光、画面から伝わって来そうなパリの馥郁。本のクローズアップ等、最高だらけで傑作だ。長年若者を捉えたブレッソンの10作目の本作は素晴らしい。夜のセーヌ川と幻想的な光を放つイルミネーション。ヒッピーによる演奏と歌と2人の関係…遺作や初期作で信じ難い大団円を迎えてきたが白夜も残酷極まりない。色彩の拘りや光の反射から手を捉えたカット、エロティシズムが印象的な作品。
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