こぅ

脱獄者の叫びのこぅのレビュー・感想・評価

脱獄者の叫び(1953年製作の映画)
4.3
'20 8/31 ジャケ写掲載ありがとうございました。

ジョセフ・H・ルイス監督による、
【脱獄友情ドラマ】。

序盤から、警部補トゥナー(バリー・サリヴァン)と、
独房のジョリー(ヴィットリオ・ガスマン)は、
殴り合うが、その果てには、決して憎しみでは無く、
友情的なものが提示される。
本作は、【男の友情物語】だ。
それは、警部補と脱獄犯と部下との間で描かれる。
また、何があっても職務優先の警部補を献身的に支える
妻、ジャネット(ポリー・バーゲン)が素晴らしい
(あの笑っちゃう量のランチと気配り、正しく良妻)。

その妻と警部補夫婦の2度の語らいを長回し
(長セリフ)で捉えるカメラもこれまた素晴らしい。
そして、護送中、ある事をキッカケに逃げる犯人も
長回しで捉え【名シークエンス】と呼べそうだ。

あのタイミング、一体何テイクで収めたのだろうか⁈

追う追われる、お互い立場と境遇は違えど、
裏切れない或いは裏切らない、命守る信念、胸に熱い
友情を秘めているのは、【ミッドナイト・ラン】を
想起する。
それは途中、妻と子供との交流を認めて手錠をさり気
なく外して、外で待ってあげるシークエンスに如実に表れている。
また、後半の保安官も協力、秘境、沼地の舞台は、
一般的な街中捜査と異なり、言葉も通じないし、
野生的なアドベンチャーとしても楽しめる⁈

中盤過ぎ、ある事で入院したトゥナーが見る◯夢の
シークエンスの演出が、まんま【ホラー的】で秀逸。

クライマックス、沼地での2人の殴り合いファイトも
見応えあり、、お互いの友情の露出。

普段は敵対している、口では慕ってない部下のグッド
ウィン(ウィリアム・コンラッド)も中々の友情を
見せる。

ただ、あの居場所知らせの為の、、◯◯ポは、絶対
点かないよね、、。


ラストショットまで友情ありきで、気分爽快だ。


脱獄ものでも重くない、熱くて【後味良い】本作
みたいのがあっても良い。
こぅ

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