よりとも

Kids Return キッズ・リターンのよりとものレビュー・感想・評価

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
3.7
□見たきっかけ
・フィルマークスで高評価だったから

○良かった点
・シンジとまぁちゃんの関係がなんとも絶妙だった。シンジは敬語で離しているけど、友情や信頼で結ばれている様子が伝わってきた。
まぁちゃんがシンジに「お前がチャンピオンになって、俺が親分なったらまた会おう」のシーンが好き。
・シンジの笑顔が印象的。シンジが笑っているのはまぁちゃんと自転車で二人乗りしているシーンだけ。自転車に乗っている時は2人の心が通い合っているのかもしれない。
・北野武ならではの物言わぬ静止画カットが至る所にあった。特別な説明は無い分、メッセージの深みを感じた。
・シンジ役の役者さんがかっこよかった。
・タクシーの運ちゃんになった男子校生がちょいちょい出てきて、主人公2人に限らず、人生は苦悩と挫折を繰り返すことを物語っていたように思う。交通事故のカットで終わっていたが救いがないという点では彼の方が見ていて切なかった。
・北の映画ならではのブラックユーモアとバイオレンスさがあった。やっぱりヤクザ好きなんだな
・「俺たちもう終わったのかな」「バカヤローまだ始まってねぇよ」
挫折した2人の未来に希望を感じる素敵なセリフだ。
・BGMの良さ。特に最後のセリフの後に「ズキューン」ってギターが入るのが絶妙。

△気になった点
・2人が上りつめていくところがもう少し欲しかった。挫折とよぶほど、やった感じはそこまでしなかった。
・多くを語らずという点が余韻や解釈の余白を与えるよさでもあるが、どんなメッセージを込めたかわかりにくい部分もあった。
・あっけなく終わる感じが飾りっ気なくていいのかもしれないが、盛り上がりが薄いとも感じた。

☆余談
野狐禅という歌手に「キッズリターン」という歌がある。この映画を意識して作った歌。是非聴いてみてください。
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