キャサリン子

Kids Return キッズ・リターンのキャサリン子のレビュー・感想・評価

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
4.3
いつもつるんで、学校に行っては問題を起こしていた18歳のマサルとシンジ。
ある日、カツアゲした高校生の助っ人にノックアウトされてしまったマサルは、ボクシングに目覚め、ジム通いをはじめる。
付き合いでシンジもジムに入門し、ふたりはボクシングの練習に没頭する。
ある夜、ヤクザに絡まれたふたりは、若頭に助けられるが、その迫力にマサルは感動する。
高校生活も終わり、いつの間にかシンジはボクシング界の逸材に成長していた。
だが、ジムにはマサルの姿はなかった……。


良い邦画あったら教えて!
と、友人に聞いたらこの作品の名前が出てきたので鑑賞。

今まで観た北野作品の中で、一番良かった。ダントツで。
すごい深いです。爽やかで、純粋で、そして残酷な青春映画。
改めて北野武鑑賞はすごい人だと気付かされました。
カンヌ国際映画祭に出品され高い評価を得たとのことですが、この作品が評価されたことをとても嬉しく思います。90年代を代表する青春映画ではないでしょうか?


「マーちゃん、俺たち、もう終わっちまったのかな」
「ばかやろう、まだ始まってねえよ」

ラストのこの言葉は、「失敗したってどーってことないよ!人生長いんだから!」という北野監督のメッセージなんだと思います。
そう。失敗しても、挫折しても、傷付いても、人生は続いていく。
いつでも、“今”が残りの人生の一番最初。
ここからがスタートなんだ。


マサルとシンジだけでなく、漫才コンビの同級生とか店員さん目当てで喫茶店に通うヒロシとか、他の若者のエピソードも面白かったです。
キャサリン子

キャサリン子