虎舞羅ーコブラー

Kids Return キッズ・リターンの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
4.0
北野武監督による、力強くも脆い青春を描いた作品。

主人公たちの様な夢見る不良青年が、“社会”という名の辛い現実に直面していく姿を描きます。
北野監督作品と言えば、やはり「ヤクザ」や「暴力」を想像する方が多いのではないでしょうか。この作品は青春映画でありながらも、しっかりとその要素を上手く落とし込んでいました。
幼馴染のマサルとシンジは、ボクサーとして、ヤクザとしてそれぞれ成り上がりながらも、壁にぶつかり挫折する…。それは、誰しもが必ず人生で経験するもの。たとえ学生時代に不良でなくとも、深く深く二人に感情移入していきます。
不良らしい不器用な生き方でも、必ず希望は存在している。私達も、彼らの様な力強くも脆い青春を生き抜く姿勢からは学ぶものがある。不良だからと一概には言えないのかも、しれません。

「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」

「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇーよ。」