ハリー・ベラフォンテとロバート・ライアンが主演。ロバート・ライアンは、最近観たな?と思ったら「特攻大作戦」に出てた嫌〜な奴か。1959年ロバート・ワイズ監督作品。ワイズといえば「ウエストサイド物語」や「サウンドオブミュージック」のイメージなので、こういうノワールを撮る人とは。1959年という、公民権運動の時期だからこそなのか、主演が黒人と白人で、双方の役としても差別や半目がある設定。お互いに信用ならない同士で銀行強盗をやろうってのがもう危なっかしくてならない。成功するとは到底思えない。しかも邦題が物凄く不穏。
ロバート・ライアン扮するアールが、誘われて断ろうとした時に、バークから決定的な一言を聞いた時の顔にかかる光のほんの少しの動きがかっこいい。あと面白いものを下から煽って撮るなと。回転木馬とか、バスとか。全体通して音楽もカッコいいんだけど、オープニングがおしゃれ。
もちろんベラフォンテの歌声も聴ける。私はヴィブラフォンの音色が好きなので、ヴァイヴを演奏しながら歌をうたうベラフォンテなんて豪華なものを観られて幸せ。ベラフォンテ演じるイングラムにお金を貸しているバコの手下、ココ役にめちゃくちゃ見覚えあって、気がついた時に大声上げた。
ココ役は、リチャード・ブライト。「ゴッドファーザー」シリーズのアル・ネリ役のあの人。渋くて好きなのよ…。まだこの時はその片鱗があまりないけど…。
イングラムとアールが黒人だの白人だのと差別的な発言でお互いを貶していた結果のオチとして、ラストの警官の一言が、とても皮肉で素晴らしかった。