EDDIE

クロッシングのEDDIEのレビュー・感想・評価

クロッシング(2009年製作の映画)
3.7
重厚な人間ドラマ。人生上手くいかない3人の主人公を三者三様のストーリーで交錯させる…。って別に交錯してないけどな!

原題“Brooklyn's Finest”は直訳すると、ブルックリンの警官。つまり3人の主人公を仕立て、それぞれ違う人生に置かれながら、警官という共通の職業で異なる苦悩や葛藤を見せているのが本作です。

ってかめちゃくちゃ豪華布陣ですよね。
定年間近の初老警官エディ役にリチャード・ギア。
家族のある麻薬捜査官サル役にイーサン・ホーク。
潜入捜査官でマフィアのボスと絆を深め合うタンゴ役にドン・チードル。
このマフィアのボス、キャズ役にウェズリー・スナイプスです。
もはやこの4人が同時にスクリーンで観れるというだけでも観る価値あり。

といっての邦題タイトルのように「クロッシング」するわけではなく、三者三様の道のりを映し出します。
それにしてもアントワン・フークワ色が濃厚なハードボイルドな事件ものでしたね。

3人の主人公それぞれの葛藤が理解でき共感できるので見応えがありました。とにかく三者三様ではあるものの、みんな短気(笑)すーぐ怒る。
で、特に潜入捜査をしているタンゴの想いを汲み取ると物凄く胸が締め付けられました。
もちろんマフィアは犯罪に手を染めているわけで、潜入捜査官であるタンゴは彼らを逮捕するために決定的な証拠を掴むために潜入しているわけですが、ボスのキャズとは信頼関係で結ばれていき、仕事の昇格と天秤にかけられ、仕事を取るか、友情を取るかという究極の選択に迫られていくわけです。

3人の三者三様の人生、だけど満されない人生というのは共通していて、誰もが人生において不安や不満を抱えている、そんな中でどう生きる?と問われているようでした。
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