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22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語の教授のレビュー・感想・評価

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最新作「花筐」は未観だが。
「野のなななのか」から遡って観ている大林作品(きっかけは「その日のまえに」だったが)。
本作のテイストこそ、「この空の花」や「野のなななのか」に通ずる部分があるようにも思う。

21世紀に入って。
大林監督は一体何と交信しているのだろう?

初期「尾道三部作」の大林ではなく。
つまりある種の甘いセンチメンタルさは、鳴りを潜めた気がする。

それ以上に、過去作ではそのセンチメンタルさの裏側に貼り付いていた「死」や「暴力」が表に出て、そのセンチメンタルさが裏になり。反転したのではないかと思う。

これまた未観だが「転校生」のリメイクとなる前作「転校生 さよならあなた」にこそ鍵があるのかもしれない…。

本作も。若者たちと現代を描いてはいるが。
若者を直接描くでもなく。
「22才の別れ」から始まる。
若者たちがどこから来たのか?

ってことが主題(な気がするが正直よくわからない)。
そしてどことなく。
宮崎アニメのような暴力性も感じる。
さしずめ本作は大林版「千と千尋の神隠し」なのかもしれない。

生殖機能を持たない男と。
母の不在を抱えた少女の「恋」のレッスンのような関係。

あと、個人的に清水美沙色っぽい。

大林から見る歪な戦後批判なのかもしれない。
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