終戦の日なので、戦争を扱った作品を借りて、観ました。
100歳で逝去されるわずか2年前、つまり98歳でこの作品を撮った新藤兼人監督。
まさに、反戦いや戦争への憎しみをライフワークにしてこられた監督さんの遺作。
戦友が託した一枚のハガキを戦友の妻に届けるお話。誰もがイメージする展開、
これを山田洋次さんだったら、みんなが思うように仕上げただろうな、
新藤兼人監督、たくさん観てきたわけではないけど、
戦争反対!という側面とともに、
「人間の怖さ」みたいなものもよく描いていた。→今、作品名を思い出せないけど、監督さんの奥さん乙羽信子の怖いメイクの作品があったな、、、
戦争に関することは、後述するとして、そんな新藤怖い面がこの作品でも出ているよう。
それを全部ひとりで背負っていた大竹しのぶの怪演!
随所に、怖さ、凄みみたいなものを感じさせてくれました。
ちょっと、ひとり前に飛び出している感もなくはないし、バランスが良い作品とは言えない気もする。
さて、戦争に関することに戻ろう。
戦友と豊川悦司の生死は、くじで決まった。
つまり、くじによって赴く戦地が違い、運命を分けてしまった。
なんと酷いことか、
大竹しのぶもトヨエツも戦争に翻弄されてきた人生。
零戦でバーと飛びました。家族や仲間を守って!そこに美しい曲が流れ、綺麗な死です〜的なお話とは、180度違うテイスト。
嘆く、叫ぶ、絶望する、蔑む、
平和な時代なら決して表出しなかっただろう感情をさらけ出し、のたうちまわって、
這いつくばって、生きている2人。
戦争を美しくあるいはかっこよく描いちゃうお子ちゃまとは違い、
戦争の苦しみを全部知ってきた監督さんだから、描ける世界。
炭になったものから再生ていくラストは
そんな中でも立ち上がろうとする人々のたくましさを表していると感じました。
戦争は遠い過去でも、どっかの国で起こるものではありません。
今の視点で、今の現象と照らし合わせて考える、感じるものだと改めて思いました。