ryosuke

我が家の楽園のryosukeのレビュー・感想・評価

我が家の楽園(1938年製作の映画)
3.8
目線、表情、挙動で表現する演出が洗練されている良作。一家そろってドタバタしているシーンのアクションに満ちた画も楽しい。花火が爆発するシーンは素敵。人物の顔のフラッシュバックが効果的。
今見ても普通に笑える。ロシア人がいいキャラしている。「革命だ!」
ハーモニカの使い方、引っ越し時に「sweet home」の看板が落ちる演出等も気が利いてる。カラスも名演。
ウェルメイドなハリウッド黄金期の作品にしては、ジャンプカットっぽい場所や継続的編集という観点から若干違和感がある繋ぎがあったのだがわざとなのかな。
全体的に楽しいのだが、まあお説教感は否めない。このメッセージを素直に受け止められる素朴さは持てないな。
金持ちは仕事がつまらなくて、友達がいなくて、傲慢でというのはいくら何でも単純化し過ぎ。グランパの説教であっさり改心しちゃうのもなんかムズムズする。みんな好きなことをしている家で家事をしている黒人...(まあ楽しそうにはしてるんだけども)
今ならこんなテーマでは作れないだろう。この映画が素直に受容される時代ってある意味では良き時代だったのだろうなあ。
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