とし

椿山課長の七日間のとしのレビュー・感想・評価

椿山課長の七日間(2006年製作の映画)
4.0
浅田次郎の小説を映画化したものです。私、原作は未読の状態で鑑賞しました。手に取った理由は…ファンである松田悟志が出演していたからです。

百貨店で課長として働く椿山は、ある日突然倒れ、そのまま命を落とす。現世に未練タラタラの椿山は…天国へ行く手前の場所で、現世に「逆送」出来る事を知る。それは難関である審査を通った者のみが許される事で、しかも戻れるのは初七日が終わるまでだ。結果審査を通ったのは、希望者72名のうち椿山と生みの親に逢いたいと願う少年・雄一、ヤクザの親分・武田の3名であった。現世へ戻る寸前、椿山は重大な秘密を知らずに死んだ事を教えられる。そして現世へ戻った椿山を待っていたのは、椿山が想像していた以上に過酷な現実であった…という内容です。

全然期待せずに(というか全く内容知らずに)観たのですが…良いよ、これ!面白かったです!椿山・雄一・武田の3人の話が、上手く繋がっていて、観ていて飽きません。雄一の両親の事、武田に聞いたらアッサリ判明したのは…ちょっと都合良すぎな気もしましたが。

椿山が次々と知る、重大な秘密。父親は息子の幸せの為にボケたフリをしていたとか、奥さんが部下と不倫していたとか。更に大きな秘密もありますが…。知らないのは本人だけとか、キツ過ぎる!最後、椿山はよくあんな態度で接する事が出来たなぁ。私ならキレて、成仏出来ずに悪霊化しちゃいそうです。知らぬが仏とは良く言ったものだ…。私が同じ境遇になったら、現世へ戻らずとっとと天国へ行こうと固く心に誓いました(笑)!

現世へ戻った椿山は、何故か綺麗な女性の姿となって。ヤクザの親分は若い男になるんですよ。お互いの姿が変わっている事を知らない2人が偶然街で出逢い、椿山が口説かれるんですが…部屋で事を始めようかという時にお互いの腕にあの世の品である腕時計がある事に気付き、それで濡れ場が終わるんです。でも、男は「男だけど、それでも良いや」みたいな台詞を言って続きをしようとするんですが…男の役者、成宮寛貴なんですよねー。彼のゲイ疑惑が頭によぎりましたよ。それが本心か!みたいな(笑)。

あと、どーでと良い話なんですが。「逆送」が始まった時、既に初七日まで残す所3日なんですよねー。タイトル、『椿山課長の三日間』じゃねーか!!
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