ヘンダーソン

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のヘンダーソンのレビュー・感想・評価

4.4
列車の中で不意に出会ったアメリカ人とフランス人の男女が、降り立ったウィーンで過ごす夕方から朝を描く。出会いから別れまでを丁寧に切り取った、とてもステキなラブストーリーだった。
主要キャラが男女2人のみで残りは2人を彩る何者でもないという作りも、徹底して2人の世界を描くということなのだろう。

それぞれが友達に電話をするふりをしなかまら、想いを間接的に伝える場面がとてもいい。
聞くに堪える会話の難しさ。これはカフェとかで人が話しているのを聞いていると、こちらが恥ずかしくなるあれだけど、この作品では奇跡的に回避出来ている。
出会ってすぐにバンバン自分の考えを押し出していく様は、日本人には難しいだろうなとは思ったけど。

最後に、二人が通った場所を映し出していくのだけど、朝日が照らすそれらの場所は夜の魔法が解けてしまっていて、その後の2人を示唆しているように感じた。