こーべい

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のこーべいのレビュー・感想・評価

4.3
お互いに一目惚れした男女が同じようなシチュエーションで出会って別れることになったら、彼らと同じような心の移り変わりをすると思う。
プラハの美しい街並みの中でロマンティックな描き方をしているが、かなりリアルなドキュメントを観た気がした。これはドキュメンタリー映画だ。

最初は照れて気に入っていることを隠して、勇気をもってどちらかが好意を伝えてしまったら、後は堰を切ったように愛の言葉が溢れ出す。男は気持ちの昂ぶりの本能でセックスを求め、女性はそれが目的ではないかと不安になる。
途中お互いに理性を失っていないフリをするが、やっぱり本心は違うという、予想通りの結末だけど、そうであってくれてよかった。一番スッキリするラストでした。

イーサン・ホークもジュリー・デルピーもまだ学生っぽさが残っていて初々しい。
時間にもお金にも社会にも縛られず、未来への膨大な可能性だけが広がっている二人を観ているとなぜか「若さは暴力」という言葉を思い出した。
年長者からすると胸が痛すぎて直視できないからだろう。