のんchan

この自由な世界でののんchanのレビュー・感想・評価

この自由な世界で(2007年製作の映画)
4.0
労働者事情と移民問題をテーマに描き続けるケン・ローチ監督‼️

ん〜〜、またもやヘヴィだった‼️
毎回、唸らせられる、鋭い刃物のような社会派ドラマ。

今回の主役は、33歳のシングルマザーのアンジー(キルストン・ウェアリング)。12歳の一人息子を両親に預け、仕事を成功させて2人で暮らす事を夢見ている。

上司にセクハラされて顔に酒をぶっ掛ける。頭が切れるが血の気も多い。納得のいかないまま人材派遣会社を解雇される。

その腹いせで一念発起し、親友の頭脳明晰なローズを誘って2人で外国人労働者を企業に斡旋する職業紹介所を始める。

必死にビジネスを軌道にのせるアンジー。
しかしある日、不法移民を働かせる方が儲けになることを知る。 とうとう彼女は越えてはいけない一線を越えてしまう...


主役のキルストンはローチ監督との相性が良いようだ。
若い頃のジュリア・ロバーツを小柄にしてセクシー度をプラスしたような✨
衣装がチープながらも皆センスが良い❣️

成功を掴んだかも知れないが、自分の行動で、大切なパートナーの親友ローズを失ってしまう。それでも突き進む姿に共感は出来ない...しかし、自分も生き延びなければならない世知辛さ...

イギリスの社会の闇と家族の幸せ。重なってはいけない反比例する現実を、またしても胸をギュっと鷲掴みされるが如くに描いている。

観る者は、アンジーの堅実で封建的な両親の目線に重なるだろう。がしかし、愛する息子を思うが為、どんどん心が侵されていく...

遠い国イギリスだけの問題ではない。日本人だって変わらない暗部を抱えているはず。観るたびにハッとさせられ勉強になる。
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