「僕達急行〜A列車で行こう〜」
僕も電車は好きだし、京急に乗っている人だし、色んなことが好き。
映画監督として、撮ろうとしていることややりたいこと、語りたいテーマが一貫している人の作品は、観ていてとても面白い。
なんで面白いんだろう?
それは、映画監督にもきっといろんな人がいて、いろんな考え方や物の捉え方があって、それの表現も十人十色だから。
現実とフィクションの距離
人と人の距離
映画と僕たちの距離
僕と僕の距離
あの駅とこの駅の距離
好きなものと人の距離
現代的なクールで他人行儀な、"付かず離れずの距離"では見出すことのできない、近づき過ぎて解る"可笑しみ"や"面白さ"
知ってるということと知らないということ、面白いのはきっと知っていること。
作中、緑さんが口にする
"少し好き"
きっとそこからでも、僕たちの人間は、人間の面白さを見出すことも出来るという、期待のようなものさえさせてしまう軽やかさが素敵。
ご都合的なストーリーと思う人もいるかもしれないけど、これは人と人とが出会うことで、いろんなことが救われることもあるという、人を肯定した希望を描いたものとして、嫌味なく受け止められる自分がいる。
色んな人が、色んなことを色んな視点で色んな触れ方をしながら、色んな人生を生きている。
そんな物語を、ゆで卵と焼き鳥で語らう二人が、温かく包み込んでくれるような気がした。
生きるって可笑しいね。
色んな人がいて面白いね。
最期の最期の最期まで、僕もそう思うんだろうな。