ひらさま

野獣狩りのひらさまのレビュー・感想・評価

野獣狩り(1973年製作の映画)
3.5
タイトルほどドギツクない誘拐ドラマ
主役は藤岡弘、冒頭で上司をぶん殴り、お前が野獣やないけ!と突っ込みたくなるアウトロー刑事ぶりで登場
こりゃ、期待出来るな、仮面ライダー1号
と思ったら…
多分内弁慶なのか、誘拐捜査が始まると全然暴れない
テログループに誘拐された社長の身代金引き渡しで、ひ弱そうな犯人ふたりをとっ捕まえる大チャンスでも、銃をつきつけられて何故か大人しくしてるし…
君なら簡単に倒せるじゃん
そんな訳で犯人を取り逃す…
活躍するのはいつでもどこでも脱ぎっぷりの良い渚まゆみとの全裸ラブシーンのみ
そんな見掛け倒しな主役に代わって大活躍するのが、伴淳三郎と稲葉義男の老境刑事
藤岡と伴淳は親子で刑事の設定
とくに伴淳は走る、走る
ちっとも活躍しない倅の分まで走りまくる
稲葉義男も貫禄十分ながら、油断しまくりな単独捜査で敵にやられる
ちょっとマヌケだぞ
本作の魅力は全編通してのロケーション撮影にあり
ホコ天にカメラを持ち込みゲリラ的に撮影しまくるわ、屋上からホントに人を吊るすわ、命綱なしでビルの外壁を歩かせるわ、しかも藤岡本人に!
当時の無茶苦茶ぶりが偲ばれます
最後のみ藤岡が活躍するも、犯人たちはみな自爆
筋書きは甘いながら、約50年前の東京がリアルに拝めるだけでも価値ある一本