クシーくん

エアフォース・ワンのクシーくんのレビュー・感想・評価

エアフォース・ワン(1997年製作の映画)
3.7
ドナルド・トランプが共和党から大統領選に出馬した際、「エアフォースワンみたいな勇敢な大統領が好きだ」と発言したところ、まさかのハリソン本人から「ドナルド、あれは映画だ。現実じゃない」と冷静かつミもフタもないツッコミを入れられた事で話題になったが、正しく映画の世界の大統領だ。
シュワちゃんやセガールと違って、絶対的な安心感がないためか、何度も絶体絶命のピンチに陥り、緊張が走りっぱなしで観ていて飽きない。それでいて重過ぎず、サクサク進む。やっぱり90年代のアクション映画好き。

ゲイリー・オールドマンの卑怯で冷徹な悪役ぶりが素晴らしい。人質を何のためらいもなく殺す所で散々ヘイトを溜めておいて、大統領と航空特殊部隊の勇敢な行動。アメリカ人の溜飲がさぞかし下がったことだろう。
尺の都合上仕方がないが、人質同士の内輪揉めはもっとあっても良かったと思う。スカッとしたいタイプの映画には不要と判断されたのかな。

早くは007シリーズ等に始まり、C.ブロンソンがソ連の工作員を演じた「テレフォン」なども同様に、ソ連そのものが悪役にはならず、2国間に緊張を走らせるテロリストが悪役になる映画は少なくないが、本作はソ連崩壊後ということもあって米露で連絡を密に取り合い協力をしている。アメリカにとって都合のいい悪役だなと思う反面、その設定に時代の雰囲気が感じられるのが楽しい。

ラデク将軍の扱いが出オチみたいで笑った。危険人物とは言えちょっと気の毒。
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