花とみつばち

泥の河の花とみつばちのレビュー・感想・評価

泥の河(1981年製作の映画)
4.5
宮本輝の小説も良かったが、映画も本当に素晴らしい。
昭和 31 年の大阪。
河岸でうどん屋を経営する夫婦、その息子 9 歳ののぶお。
ある時から、船で暮らす同学年のきっちゃんと友達になる。きっちゃんの姉がぎんこ。綺麗なお姉さん。
きっちゃん達とのぶおの父親のするマジック芸で遊び、一緒に天神祭も行った。
ポケットが破れて小銭をなくすきっちゃん。軍歌 「 戦友 」が上手いきっちゃん。ほんの一時だけの友人。
「 お米が温い 」というぎんこ。いつも淋しげで何かを背負った顔をしている。
きっちゃんの宝物の蟹の巣…オイルに漬けマッチで燃やすきっちゃん。

いきなりきっちゃんはどこか去ってしまう。

戦争で生き残るのぶおの家族。
世間は軍需景気に沸くが、生活は楽にならない。「 戦争で死んでおけば良かった 」というのぶおの父親。
新聞は 「もはや戦後ではない 」と…
胸を締め付ける程切ない物語。
田村高廣って、なんでこんな役まで演じられるのだろ……
花とみつばち

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