ぶん

泥の河のぶんのレビュー・感想・評価

泥の河(1981年製作の映画)
3.9
あの悲惨な戦争が終わったからって、その余波が直ぐ落ち着く訳がありません。
戦後まもなく日本の人達は何となくガツガツしているイメージがあります。
皆必死なんですね。こんなはずじゃなかったと気がついて焦ってるように感じます。経済復興の波に乗れた人の反対側には、経済的には勿論、精神的にも傷つきまだ自分の中で戦争をしている人もいるのです。

それを1番傷つきやすい子どもの心情から訴えかけているので切々ときます。
誰もが通り過ぎて来た少年期があるから尚更共感出来るのです。どれもこれもかつては感じた事のある感情だったからこそです。

少しネタバレになりますが…





きっちゃんはわざとのぶちゃんに火だるまの蟹を見せたように思えました。
あの時のきっちゃんはちょっと怖かったです。彼はのぶちゃんを試したのか、それとも気にしないと思ったのか。
真実を知った信雄にショックを受けたきっちゃんもまたかわいそう。
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