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カイロの紫のバラのkiritoのレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
4.1
【スクリーンの中と外】

映画の中の人物と喋ってみたり、付き合ってみたりしたい!
と思ったことはありますか?

こ・れ・はw
発想が素晴らしすぎる!
流石初期のウディアレン!!!


働かず暴力を振るい傲慢な夫のために汗水たらして働く主人公。(まじクソな夫)
彼女は映画を観るのが唯一の楽しみだった。
そんなある日、映画の中の探検家が映画を見てる彼女に対して直接話しかけてくるのだが…

未だかつてあっただろうか?(私が知らないだけ)
映画の中の人物が個性をもっていて、現実世界に出てくるというシチュエーションが。
やはり【第4の壁】破りの天才か。
(この映画は厳密には違うけど。)


特に映画の中の世界と現実世界を行き来するところが素晴らしい。
映画の中は外からはお酒のようにみえても実はジンジャーエールだったり、逆に映画の中で持っていたお金は現実世界では小道具の偽物だったり。


映画の中の人物と現実世界の人物が会話するというのが斬新すぎました。
映画の中の男が1人現実世界に出て行ったため、映画が進まなくなったり、出演者が勝手に話をはじめたりとめっちゃ面白しろい!!


最後の終わり方も、あーウディアレンらしいなぁという感じでした。
いっつもハッピーエンドともバッドエンドとも言えない不思議な終わり方なんですよね〜

甘いけど、ビターで不思議、そして夢のような恋愛映画といえる1本です。

久しぶりに身を乗り出しちゃう位の脚本の映画で大満足でした。

2016.8.2
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