ちろる

カイロの紫のバラのちろるのレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
4.4
スクリーンの中にはいつもステキな世界が広がっていて、キラキラした俳優たちがこちらを観て笑いかけてくる。
もちろん、スクリーンを通して時空の壁があり、彼らからは私のことは見えないけれど、映画館で観ているその間だけは私がスクリーンの向こう側に入り込める。
映画好きの皆さんならこんな風に思った経験はは一度や二度ではないはず。
フォロワーさんのおススメでついに先月鑑賞したこちらの作品、こんなにステキならたしかにもっともっと早く出逢っておけばよかったと悔やまれます。
ウッディ アレン作品はこんな風にノスタルジックな感傷に浸れるものか、しょうもない人間を描き切ったリアリティ溢れる作品のどちらか両極端のものが私は好き。
辛い現実の生活をなんとか笑顔で過ごせるように、映画館で現実逃避して夢見る少女のように目をキラキラさせるミア ファローが幼気でかわいい。
スクリーンの役と俳優の両方に言い寄られて思い悩み結局選んだ結論と、その先にある彼女の未来が・・・なんとも切ない。
けどこのビターな後味がやっぱり卑屈な視点のウッディ作品らしいと言わざる得ないし、このラストだからこそ心に残る名作となってるのが分かりました。
オススメしてくれたdramatsuさん、幕埜リアさんありがとうございます😊
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