エリオット

溶岩の家のエリオットのレビュー・感想・評価

溶岩の家(1994年製作の映画)
4.1
初ペドロ・コスタ。
本作は長編第2作らしい。

リスボンの工事現場で倒れた男性(レオン)を故郷のカーボ・ヴェルデの島に届けに行った看護婦が島で暮らす人々と関わりを持つようになるという話だが、セリフが少なく、そのうえ主役の女性看護師の名前がマリアナなのに島の住人にアマリアという名前の女性がいたりして…正直、話の筋はよく理解できなかった。

それにしても、カーボ・ヴェルデの島は火山や海岸や街並みのどこを切り取っても絵になるし、後半、意識を取り戻したレオンを車いすに乗せてマリアナが街並みをず〜っと横に移動していくショットや、火山灰が積もった山並みをマリアナの後ろから杖をついたレオンが歩いていく場面など、街並みや自然の切り取り方がとても素晴らしい。
出てくる人々もほとんど実際に島に住んでいる人々らしく、見ているとまるでドキュメンタリー映画のよう…

なかなか見るのにハードルが高いが、自然や人生の厳しさを美しく撮る作品を好きな人が見たらきっと気に入る監督さんだと思う。
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