Jeffrey

溶岩の家のJeffreyのレビュー・感想・評価

溶岩の家(1994年製作の映画)
4.0
‪「溶岩の家」‬

冒頭、溶岩の描写。

老若男女のクローズアップ。リスボンの工事現場、1人の黒人男性が倒れ病院へ。ヘリ、夜の海、乾いた気候、ハンセン病、原風景な土地。今、意識不明の男と彼の故郷である大地へ、そして島へ向かう1人の女性の物語が映し出される…

本作は前作「血」に引き続きペドロ・コスタが描く冒険による長編2作目で、カンヌ国際映画祭を始め様々な映画祭で絶賛を浴びた作風で、

監督が言う破綻した冒険をこの度、初見したが土地柄が風光明媚過ぎて、こういったドラマを制作する中では抜群に効果を発揮している。

海を背景に逆光で撮られる男女の姿やこの土地に住む民族の集団を捉える画や、夜の撮影など陰と陽の美しさが混合していて、2つの美しさを味わえる。

それに窓からの自然光を浴びるショットが幻想的だ。

見渡す限り岩に挟まれた土地をただ歩くだけの描写で、感動してしまうのは何故なんだ…。

さて、物語は救急病棟の看護婦の女性は、工事現場で突如、倒れ昏睡状態に陥った黒人男性を看病し、ヘリに乗せ彼の故郷であるカーボヴェルデ島へと渡る。

到着後に彼女は島に住む人々の悲劇的な歴史を肌で感じ、目で見始めるのだった…と簡単に説明するとこんな感じで、ドキュメンタリー的な映像が混然一体とした映像には真実がある。

荒涼とし、渇いた大地の風景は哀しくも蠱惑的で、その褐色の肌を照り尽かす太陽光と肌の輝きが一種のアートオブジェを観る様な感動がある。

バイオリンによる演奏と共に女性と男性の葛藤が描かれる。

この独特の文化や方言そして歴史が発展して行く中に取り残された風土の記憶が余りに壮絶だ。

この映画はモノクロームの世界で見ても非常にいいと思う。‬

‪彼の作品には意表をつくカット割が多く、本作でもそれは炸裂していた。それにフレーム外に置くシンボリックな物達をカメラが移動した時に微かに映る演出も素敵だ。

数多くの先人の監督にインスパイアされたコスタの作品は新星監督にコスタ作を通してオマージュされる事を期待する。‪

フォトギャラリー的な傑作だ。‬