るい

大菩薩峠 完結篇のるいのレビュー・感想・評価

大菩薩峠 完結篇(1961年製作の映画)
3.7

斬りたくなるから斬るまでだ🌙3/3


完結編は三隅研次監督じゃなくて、森一生監督なんや!wikiに、森監督「本作も三隅が監督を務めた方がよかった。」って書いてあった笑 三隅監督は「釈迦」の準備で忙しかったらしい。あれ超大作やったもんね。

さて、大菩薩峠完結編。今回は冒頭に1と2のダイジェストが入る親切設計。話の流れはずっと同じなんやけど、宇津木兵馬が兄の仇討ちと机竜之介を追ってます。

話の流れもかわらんが、登場人物もかわりません。また中村玉緒が出てきた。3度目の転生!

「斬りたいから斬る」

個人的にこの作品が良かったのは、主人公の机龍之介がヒーローでもなけりゃ、アンチヒーローでもない。ただ心に闇を抱えた狂った男ってとこやな。

色々映画見てきたけど、びっくりするくらい主人公に共感できひんっていうのが新鮮だった笑 でも幻覚を見るほど追い詰められてどこまでも堕ちていく机龍之介を演じる市川雷蔵さんがとても良かったのよ。お着物姿で刀構えるのほんとかっこいいし、綺麗なお顔立ちと、線の細さがいいよね。

そんな机龍之介の心に凪が訪れる日はくるのだろうか。

内田吐夢監督版の大菩薩峠があるのを知った。めっちゃ見たい。まだ先になりそうやけど、U-NEXTに入ったら見よう。
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