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挽歌のhummingbirdのネタバレレビュー・内容・結末

挽歌(1957年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

この監督はロケ場面を選ぶのが抜群にうまく、この作品はオープニングからカットも凝っていて決まりまくっていて、本当に見ていてうっとりする。

でも、怜子のキャラクターが、若者らしく、自意識過剰でワガママで、若い時の自分を見るようでつらいものがあった(あんな妙な鋭さはなかったけど)。怜子の憎めない部分も描かれていて、久我ちゃんの演技は絶妙。

最後の怜子の心境がはっきりと分かるわけではないけど(作者が原田芳子なので深読みしてしまう)、その時にたどり着いた姿が潔癖で美しく(この時に初めてスカート姿になる)ジーンとした。

でも怜子が大人になるために払われた犠牲は大きすぎた。それなのに最後は「きれいな私」になっていて(そこは落ち込むなり、汚れるかするところ)、原作者なのか、この話を考えた人は自意識が強過ぎる気がして好きになれない。

劇中の若者たちがファッションなどフランス風で、当時は本当にああいう感じたった? ロマンチックな音楽、列車や船の音がさかんに聞こえるのもよかった。

2021/10/31 映画アーカイブ
「没後40年 映画監督 五所平之助」
「美しい女優・美しい衣装」@シネマヴェーラ渋谷
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