ヴレア

プライマーのヴレアのレビュー・感想・評価

プライマー(2004年製作の映画)
4.0
難しい!
「TENET」同様、考え出すと頭が痛くなる映画だった。

“出来事の最終型が人々の記憶に残る“というのは「TENET」に通じる所であり、何度逆行しようともそれは一本線上の出来事なのだなというのは分かった。

自分の分身=ダブルに出会わない為に外界から遮断されたホテルの一室に籠り、大の大人がひたすらボードゲームしたりして時間を潰すというのがなんかシュールで面白い。

そして、時間タイムパラドクスものの常として結局は金儲けに走るというのも説得力があり王道だった。でも、最初から金儲けの為に謎の機械を開発していた訳だからそれは自然とも言える。
ただ、ウマイ話ばかりではなく、逆行を繰り返す事でやがて肉体や精神に深刻なダメージを追って行くのがとても怖かった。最終的には何の為に逆行するのかという哲学的な問いも垣間見え、苦悩する主人公達の行動には考えさせるものがあった。

面白いとは言うものの、観客に対して説明不足だし、エンターテイメント性も薄い。ので、かなり間口の狭い映画であるのは間違いないだろう。しかし、「TENET」を好きな人には一度観て欲しい作品である。
ヴレア

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