けー

ハンガーのけーのネタバレレビュー・内容・結末

ハンガー(1983年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

あのミイラさんというか骸骨さんたちは結局逝くことができたんだろうか....

トニー・スコット監督の初監督作品が吸血鬼ものだったという驚き。
「デジャヴ」のコメンタリーでトニー・スコット監督が散々SF要素を好まないという話をしていたので何となく驚いたというだけなんですけれども、よく考えたら吸血鬼はSFじゃなくてファンタジーか!(←と思ったらSF区分でした。えー、吸血鬼ってそうなの???)

トニー・スコット監督が吸血鬼映画を撮ることになってそれできっと「うっかり人間じゃなかったとしても驚かないぜー」ってイメージの俳優さんたちが、カトリーヌ・ドヌーヴとデヴィッド・ボウイだったってことなのかな?

キャスティングを見て、てっきりデヴィッド・ボウイがヴァンパイアとして怪しく暗躍するのかと思いきや、急速に老化していっちゃうっていう。

病院の待合室で2時間待たされただけでもじいちゃん化が止まらない。

「永遠の若さ」をくれるっていうから吸血鬼の仲間になったのに、どこかの時点で老化してしまうらしい。

あ、何だか「オールド・ガード」っぽい?

それで朽ちてしまうとか灰になって消えてしまうならまだいいのだけれども、朽ちたら朽ちっぱなしな状態で生き延びてしまうらしい。

勧誘する時にそこまでちゃんと説明しておいてあげないと.....。

画面はああートニー・スコット監督だぁっていう色使い。

青い中にポツッと赤みたいな画面に、怒涛のカットバック(って言い方であっているのかな?)。
情報をただ垂れ流すだけのシーンはトニー・スコット監督の美徳に反すると言わんばかりに、目まぐるしいばかりのカットバック。

相変わらず酔いそうになるけれど、もうこれが監督色ってわかっているので大丈夫。

でーんと橋が映るだけで、ああやっぱり橋だよね!って嬉しくなるのもおかしな話かもしれないんだけれども。

鳩もいっぱい飛んでた。

白い鳩。

もしや鳩飛ばしもトニー・スコット監督が編み出したの??と思いかけたけれども、どうなんだろう。

この映画を見ながら、もしかして元々はミュージック・ビデオの監督さんだったとかなのかしらとか思ったり。

映画を撮る時も”絵描”として考えるとよくインタビューで言っていたけれども、この映画でもきっと一秒たりとも「何となく」でしかない画面構成とかはないんだろうなぁとか思ったり。

ってな感じでトニー・スコット監督色を堪能するのに楽しい一本でした。(コメンタリーがあるなら聴いてみたい)


そういえばデンゼル先生がインタビューで、「クリムゾン・タイド」の後、トニー・スコット監督とまた仕事がしたくて自分からトニー・スコット監督にお願いしにいったって話があって。それで「マイ・ボディガード(Man On Fire)」の出演が決まったらしいのだけれど。

もしかして「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 」を自分で監督することになった時に、監督としてのノウハウを習いたいとデンゼル先生が思ったのがトニー・スコット監督だったのかなぁなんて思ったり。

デンゼル先生も撮影現場には誰よりも早く出てくるらしいんだけれども、それってトニー・スコット監督も同じで。

「クリムゾン・タイド」で仕事した時によっぽどトニー・スコット監督の仕事スタイルが気に入ったのかなぁとかって何だかそんなことも思ったらついついニッコリしてしまったり。
けー

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