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ハンガーのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

ハンガー(1983年製作の映画)
3.4
トニー・スコット初監督作品。音楽にはクラシックを多用し、ヨーロッパ映画的なゆったりとした耽美な雰囲気の中で、吸血鬼というモンスターを通し「生」と「美」と「老い」を描いていくカルト人気なホラー作品。ラストの展開で惜しみなく披露される特殊メイクでの演出が良い感じでパワーが感じられた🤩(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

★注意★
「インタビューウィズヴァンパイア」「僕のエリ200歳の少女」「モールス」のネタバレが含まれますので、未鑑賞の方はご注意ください。

トニー・スコット初監督作品。その3年後にトップガンを制作しているというからビックリ。トップガンは凄く「アメリカ映画!!」っていう印象を受けたのだけど、本作はそんな感じがしない。むしろヨーロッパ映画みたいで、同じ耽美系のヴァンパイア映画だったら「インタビューウィズヴァンパイア」の方がアメリカっぽいし、北欧の「僕のエリ200歳の少女」の方に雰囲気が似ている気がする。

原題The Hunger(意:渇望、飢え)。不老不死の美しい女吸血鬼ミリアム。彼女は時代の都度に愛する者を見つけては眷属にし、共に暮らしてきた。今は18世紀に出会った男ジョンを眷属とし現代を過ごしている。しかし、眷属はある程度の年月は自分と同じように年を取らず美しいままだが、ある時点で急激に年老いてしまう。そして、ジョンにもついにその日がやってきてしまい…という話。

美貌の女吸血鬼にフランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴ。眷属の男ジョンにイングランドのロックシンガー、デヴィッド・ボウイ。デヴィッド・ボウイって俳優もしていたのか、知らなかった🙄また、女吸血鬼が心惹かれる女医をスーザン・サランドランが演じているが、この女医と女吸血鬼の絡みがセクシーなので、一人で鑑賞おすすめ(笑)女医さん、人の家(実際吸血鬼の家だし)を訪ねるのにノーブラ1枚Tシャツでいく??そんなフェチ的ちょこちょこエロスもあり(笑)

音楽にはクラシックを多用し、ゆったりとした耽美な雰囲気で吸血鬼というモンスターを通して「生」と「美」と「老い」を描いていくホラー作品。また、ラストの展開では惜しみなく披露される特殊メイクでの演出も良い感じで、さすがに時代は感じさせるけどパワーが感じられて好きだった。

個人的には、今まで鑑賞してきた耽美系吸血鬼映画の麗人たち…つまり、眷属も朽ちることないため代わる代わるではなく永遠を共にするパートナーを求めるレスタト(インタビューウィズヴァンパイア)や、共に過ごす人間を代わる代わる求めるがその人は眷属とはせず人間のままにして心通わせるエリ(僕のエリ200歳の少女)やアイビー(モールス)に比べ、一番イヤらしいエグさを感じた吸血鬼だった。ミリアムは自分の眷属たちの結末を分かって隠して愛人を作っていくのだから、えげつない。

ヴァンパイア映画を観るたびに条件反射のように耽美、耽美といっているけど「耽美ってなんだっけ」ってなってきた(笑)「国語辞書:美を最高の価値として、ひたすらその世界に心を傾け陶酔すること」…うーん、やっぱり永遠に年を取らない美形のモンスターとして世界観がマッチしやすいのかな?アクション映画とかになってくると、話はまた違うのだろうけど。