ダイヤモンド

ひまわりのダイヤモンドのレビュー・感想・評価

ひまわり(2000年製作の映画)
3.0
海難事故で急死した真鍋朋美。そのテレビニュースが、かつてのクラスメイトたちを呼び寄せる。地元に残った者、去った者、久々の再会にみな浮かれ気分。さらには卒業後、彼女に関わった男性たち、元カレとか今カレとか、元々カレとか色々登場。クラスメイトたちには印象の薄い子朋美だったが、オトコたちには残像が色濃く残る女性だった。

私、太陽が嫌いでしょ。なのに、その人からはなぜかひまわりって呼ばれたの_。

これは朋美が初恋の人を語った言葉。その彼、輝明にとっても朋美は、幼き頃の悔いをも引きずった女の子だった。

現在と過去、それぞれの思い出が回想、交差する。それはクラスメイトにとってのノスタルジーや、男たちにとっての“彼女との時間”を描くことによって、真鍋朋美というおぼろげでありつつも、確かなる存在としてかたどってゆくもの。輝明を始めとした、クラスメイトたちの「過去と現在」「ノスタルジーと現実」の中心に朋美がいた。それを逆光や、ざらついた映像で表現している。
登場回数は少ないものの、危うげでうつろな朋美役の麻生久美子の、ユラユラした姿が印象的な映画です。

(ネタバレ)…………………………………………………
フィルマのコメントで知ったけど、実はものすごいものが仕込まれています。再び映画の初めに戻ってそれを確認したら、ノスタルジーとか言っていられなくなりました。

輝明は故郷ではなく、冥界に行ってたんですね。