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ケーブル・ガイのRenのレビュー・感想・評価

ケーブル・ガイ(1996年製作の映画)
2.5
歴代最高にキモいジム・キャリー。彼も使い方によってはこういうキャラクターが出来上がるのかという発見がありました。配役ありきの、そこまで知名度の高くない珍作。

コメディなんだかサイコスリラーなんだか。チップ役のジム・キャリーもサイコ用の演技をしている訳ではそこまでなく、基本いつも通りの十八番演技。『マスク』では爆笑できた彼のコメディリリーフとしての魅力は、距離感をバグらせた途端に不快感/恐怖に変貌するのだと痛感しました。もちろん面白さも残ってはいるけど。
バスケでラフプレーを連発するチップなんかは結構見ていられない。

「友達を敵に回すと怖い」と言いながら同性の友情を渇望するチップ。彼を退けるあまり、実質的な被害者であるスティーブンのほうが孤立していく展開もサイコストーカーもののお決まり。
チップは会話の中で、ことあるごとに実在の作品名や映画の決め台詞を発します。母親のネグレクトが原因でテレビを親代わりとして育った男の話なので、ちょっと同情してしまう部分もありました。自分のような人間をもう生み出したくない、という一縷の望みをかけて挑む電波塔のアクションが印象的。一方で、「子は親を選べない」話なのか、「TV、メディア批判」なのか、根本原因の軸が2本通っているのでちょっと欲張った結果どっち付かずになっている感もありました。
意味深に挿入される双子殺人事件ニュースは、上記のメッセージを補完するために存在している。スキャンダラスな事件の顛末が気になって仕方ない我々も、所詮ワイドショー好きテレビっ子の末裔か。

中盤のコンセプトレストランでの一幕や、ポルノワード当てゲームのシークエンスなどは絶対にそんなに尺要らんだろと思うほど長くてクドい。ジム・キャリーのコントが観られたという意味でファンとしては嬉しかったですが、中盤の若干の中弛み感はそういう細かな積み重ねが影響していたかな。

あとめっちゃチョイ役でオーウェン・ウィルソンが出てます。ジム・キャリーとの2ショットでなんか分からんけど嬉しくなったりしました。
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