ギズモX

荒野の七人のギズモXのレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
4.0
ジョンスタージェス監督×ユルブリンナー主演の『七人の侍』を西部劇でリメイクしたハリウッド作品。

戦国時代の日本から西部開拓期時代のメキシコ国境あたりに舞台を変えた本作は『七人の侍』と比べて娯楽色が増え、爽快で明るめの冒険活劇なストーリーとなった。

主演のユルブリンナーとスティーブマックイーンが凄くカッコいい。
仲間を増やした時になにも言わずにジェスチャーで伝えるのが本当にクール。
テーマソングも最高だ。

ただこの作品は『七人の侍』にはあった《それぞれの個性を生かした役割分担》や《ザラついた荒々しさ》がかなり抑えられてしまってるのが凄く惜しい。
戦闘シーンに激しさがないから物語自体が単調で少し物足りなさを感じる。

あと、イーライウォラックの終盤でのあの行動。
一度主人公達を捕まえておきながら、何もせずにわざわざ武器返して解放する奴があるか!
そりゃ戻ってきますよ。
何もされてないんだから。

しかし、この映画はアメリカではなくメキシコが舞台だったり、最初の霊柩車を運ぶ場面は、アメリカ先住民を埋葬するために主人公達が手を貸すなど、所々に砂埃にまみれたあのマカロニウエスタンの面影が感じられたりする。
また《役割分担》の方はというと、この後に公開されたあの『大脱走』で活きることになったと思う。

マカロニウエスタンや『大脱走』の前夜を感じさせてくれる作品です。

全員生き残ってほしかったなあ。
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