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赤い手のグッピーのSNのレビュー・感想・評価

赤い手のグッピー(1944年製作の映画)
4.3
クルゾーやジャックターナーを想起させる、なんともおどろおどろしい世界観。ベッケルの多才っぷりには脱帽。サスペンスともホラーともとれるこの作品でも彼の手腕がいかんなく発揮させれている。隠れた秀作。
オーバーラップやフェードインアウトの使い方が秀逸。切り方がとても斬新。余韻を残すことなく、ちょっと乱暴なまでに割っていく感じが不安を助長させ、サスペンスに必要なスピード感を生み出している。
トンカン役は素晴らしい。触れてはいけないような危うさを漂わせる彼の存在感が、この閉鎖的な世界に緊張感をもたらす。そして、なぜ狂人は木に登りたがるのか。いや、木に登るとなぜ狂人となってしまうのか。長年の疑問。
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