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ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.1
最近たまたまハイカロリーな映画が続いて若干のぼせ気味ではあるけども。
ナルニア国物語、、、指輪物語と並ぶ世界的な物語ではあるけども。

個人的には何でか、ロードオブザリング、ハリポに比べると少し弱い。これとパーシージャクソン。ライラに至っては続きがなかったのは悲しかったけど。

それはおそらく、作りが表面的だからだろうか。魔法使い、4人の子供が4人の王、ナルニアをまとめるライオンとその動物や半人半獣系の仲間たち、と、物語を構成する人物要素は多岐に渡り、魅力的で期待するものがたくさん。

なのだが、何か重厚さと言うか大義みたいなのが欠けてる。
なので「これが出てきたってことはこうなるよね」「もうそうなったらそうするじゃん」「王になるんだから剣術うまくなるもんじゃん」「不思議な国に迷い込んだので不思議な生き物がしゃべっててもおかしくないよね」みたいな予定調和というか、なんでそうなるのか、そうなったんだっけ?がサラサラスイスイ進んでしまって、特に説明もない、この4人の子供もいつの間にか使命に燃えてるが、俺がこの子供の中の1人だったらまずアスランとかビーバーを質問攻めにする。この子供達も質問はしてるがどこか“ある程度のとこまではそういうもんだとしよう”の上の質問。いやいや、もっと前提のこと聞きなよ、と。

それはそれで難しいこと考えずにそりゃそうだと割り切って観れば良いのかもしれないが、こう言う映画はそこを理解して、運命を理解して、何でこんなか弱い主人公達が立ち向かうのか、すげー大変なとこでそれを通して成長する、が大事なのではないかね。

この4人、特に苦労もなくドタバタしてる間に王になれたって感じではないか。戦争なのに何かワクワク楽しそうだな、みたいな。

童話としては、戦争や人の悪い部分を包み隠してその辺を可愛く楽しく“寓意”を伝えてく、という手法としては良いが、これだと伝えたいものが伝わってないか変に伝わっちゃうのではないだろうか。

それと、ターキッシュデライトとかいうお菓子、まったく美味しそうではない。と、それ以外でほとんど食べ物の描写ないし、生活感がないけどどうなってんだろう。ファンタジーを重視し過ぎてその辺の日常的な描写がないので余計に観てる側が取り残される気がする。

で、何よりも魔女の最後は「えっ?終わり?」と。そこは、何か、もっと、ピーターがなんとかしなよ、と。

とまぁ、とにかく、辛い、汚い、可哀想、残酷みたいな過激、マイナス要素を排除した作品なので、とてもキラキラスラスラ楽しく観れる反面、4人の王という設定など、最近の順位がつかない徒競走や悪者が死なない絵本のように、本来論を隠し過ぎて甘ったれた物語。
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