塔の上のカバンツェル

太平洋航空作戦の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

太平洋航空作戦(1951年製作の映画)
2.8
太平洋戦争下、米海軍第247航空隊の若者たちと新たに着任した隊長を描く。

航空戦や地上戦の描写は、記録映像がほぼほぼなので、アクションを期待すると肩透かしをくらう。

ただ、ジョンウェイン演じる新任の冷徹な航空隊長による有無を言わさない命令と、反発する若者たちに同情しつつ、指揮官としての自覚が芽生えていくロバートライアン演じる大尉の成長を描く人情劇がメインの映画。

劇中の彼らの乗機は、記録映像が混在するのでコルセアかワイルドキャットかはちょっと判別できなかった。

米軍の航空部隊にあって、太平戦争初期の攻撃機パイロットの損耗率は、戦闘機パイロットより圧倒的に高く、日本軍をボコボコにしたミッドウェイにおいてすら出撃して帰ってきた機体は数機なこともあるという飛ぶ棺桶状態だったという。

また、ヨーロッパ戦線は撃墜されても地続きなので割と徒歩で友軍の戦線に帰ってすぐに復帰できるが、太平洋戦線はそのまま海に沈むか名もなき島に消えていくしかないという…。

ガダルカナル島の低空対地攻撃支援から沖縄戦のカミカゼ特攻阻止の空戦までの一連の流れの中で、ロバートライアンが一人前の指揮官になっていくのを見守る映画だった