天豆てんまめ

愛を乞うひとの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

愛を乞うひと(1998年製作の映画)
4.3
今年は息子たちがダブル受験。

でもまさか、いまだ新学期が始まっていないとは思いもしませんでした。

果たして彼らはどうこれからの8か月に向き合っていくのか。

しっかりと見守っていきたいと思います。

そんな中、今日は、わたくし非常に恥ずかしい決断をひとつしました。

最近立て続けに3人の大切な人からあることを言われたことで、

導かれた決断なのですが、、

1人目は妻です。

あなたのレビューはレビューというよりエッセイね。

2人目は映画業界で一番信頼している親友です。

※3月に企画して中止しましたカフェ会のゲストの菊地裕介さん(東京国際映画祭広報マネージャー)です。

シネマエッセイていう分野を開拓したら?

3人目はまた別の親友なのですが、

クワンさんのエッセイに寄ったレビューをnoteにまとめたら?

この3人からの言葉が1週間の間に立て続けに言われたので、、

本当に、本当に、恥ずかしいことなのですが、、

シネマエッセイストを名乗ってnoteブログを10分程前に開設することにしました 笑

でも最初は、新たにエッセイを書くよりも今まで4年間に渡り書いてきた2162作品のレビューの内、最初はチョイスして淡々と投稿を上げていくことにしました。

① 映画レビューといいながらエッセイぽいもの 

※たぶんかなりあった気がします。

② スコアが4.0以上を集めた大好きな作品レビュー

③ジャンル、テーマ別に複数の作品をおススメする投稿

④今後の企画について


ただ、Filmarksで知り合った特に相互フォローさせて頂いている約500名の皆様とは長い年月の方も多く、まずは既視感たっぷりの投稿かと思いますので引き続きFilmarksでの交流で十分かとも思いますが、よろしければ覗いて頂いて最初のフォロワーさんになって頂けると嬉しいです 笑

寒っ!とか突っ込んで頂いてもありがたいです 笑

私が勝手に思っていることなのですが、ここで出会った方々とは、おそらく一生付き合う方も出てくると思います。

そして、Facebookでリアル繋がりの700名の知人、友人より遥かに気の知れた、そして感受性が響き合う方々がこの場に多い、これは紛れもなく真実であり、この現実とSNS世界の逆転現象を、私はいつか地続きにしたいと思っていました。

(filmarks グループ)

家族 親友 

映画愛で繋がった方々


(Facebookグループ)

中学、高校、大学の同級生

社会人の知人

映画業界の方々


その第一歩が3月に企画したカフェ会でありました。残念ながらコロナウィルスの影響で縮小せざるを得ませんでしたが。。

なので、note初投稿する前に皆様にご挨拶を勝手ながらさせて頂きました。

Filmarksではそのままの感受性を露わにこれからも、観た映画を全てレビューしていきます。きっとFilmarksがある限り。そして私が生きている限り。

そうだ、姉からこんなことも言われてました。

2000本以上もレビュー書いて、もしFilmarksが無くなって、全部レビューが飛んじゃったらどうすんの!ちゃんとアーカイブしなさいよ!

と言われ、ちょびちょびPCワードにコピペしてたのですが、、あまりの単純作業に100レビュー移したところで挫折😭

なので、無くなってしまったら、かなり落ち込むであろう自身の思い入れのある作品レビューをしっかり選んで、もう一つの場所でもまとめようという意義もあり始めることにしました。

前置きが長くなりました。。

改めまして、こんばんは。

シネマエッセイストのクワンです。

こ、これは恥ずかしい😭

でも決めましたので❗️

初めてFilmarksの投稿からNoteのブログに反映させて頂くのは「愛を乞うひと」

2017年4月14日、今から3年1か月前に投稿したこの作品です。

ちょうどGW中に再見して爆泣きしまし
た。若干修正して再投稿させて頂きます。

※そしてNoteに本作映画レビュー本文部分を初投稿します。

ただいま、人っ子1人フォロワーさんはいませんが、最初のフォロワーさんは交流のある皆様に見届けて頂きたく、、良ければたまにそちらもご覧ください。

【愛を乞うひと】

2017年4月14日投稿 再レビュー


私が日本女優で歴代一番好きな女優は原田美枝子だ。

そして原田美枝子出演作で最も彼女の女優としての凄まじさを感じるのはこの作品。

彼女は二役を演じている。

現在の気弱な母。

そして激しく虐待をするその実母。

もう同一人物とは思えない程のGAP。

まあ、凄まじい演技である。

現在の彼女は、幼い頃に亡くなった父の遺骨を探しているのだけど彼女の脳裏に浮かぶのは、実母に虐待されつづけた壮絶な記憶。

娘の野波麻帆と共に遺骨探しを続けた後、長年、会っていなかった実母に会うことを決意するのだが、、、

回想シーンの昭和20年~30年代の雰囲気も見事だけど虐待シーンが続くので覚悟が必要である。

タバコの火を娘の手にジュッと押し当てたり、ベルトで滅多打ちにしたり、目も当てられないほどの壮絶さ。

凄まじい形相で娘を殴る蹴る。

娘はたまらず吐いてしまう。

思わず、遊びに来ていた娘の友人がおしっこをもらしてしまう。

私も観ながら、失禁しそうになった。  

その後、彼女は虐待を受け続け、一度は自殺しようとするが死ねない。

ただ、鏡を眺めて愛想笑いをしているその哀しみ。

そして、遂には家を出るが、その命懸けの逃走も胸を打つ。

そんな彼女が大人になって娘を持つが、実母の暴力性が自分にも潜んでいるのではとおびえている。

現在の娘役の野波麻帆も素晴らしい。  

彼女のデビュー作かな。心に闇を抱える母に「ぶって、あやまんないでよ、しっかりして欲しい」なんて言う強い娘。

この現在の母と娘の心の交流も素晴らしい。

そして娘の勇気づけもあり、最後には、あれだけ虐待をした実母に会いに行くのだがその緊張の再会はどうなるのか、、

それはもう見て欲しい。

その後のラストシーンまで涙が止まらなかった。

こんなに観るのが辛くしかも映画として、凄まじい力を持っている邦画も珍しい。

そしてこの映画を見たら、原田美枝子が怪物並みに凄い女優だということは分かると思う。

凄まじい暴力をふるう母と、一方、自分を抑えつけている母という対照的な二役を演じているのは驚きしかない。

是非、この彼女の凄さを一度、観て欲しい。覚悟は必要だけれども。

タイトルの「愛を乞うひと」というのも最後、深く沁みてくる。

ちなみに娘の友達の少女が、虐待現場に遭遇して漏らしてしまうシーンを述べたが、ああ、人ってそうなってしまうことあるよな、って思う。

人は心底驚いたり、恐れたりして、自分の根幹が揺さぶられると、中枢神経や自律神経が一瞬にして言うことを聞かなくなる時がある。

そしてそのシーンを観ていて、私は鮮明に思い出してしまった。

長い間、私自身封印していた記憶。

身体の芯で憶えている記憶。

でも消し去りたい記憶。

そう、私は人生で一度だけ、失禁したことがある。

この話は、家族と親友数人しか知らない。

小中高大の友人や仕事仲間にも言えなかった。

まあ、言う必要性は一切なかったのだけど(笑)

私は幼少時おねしょをした記憶も無い。

私が人生で一度だけ失禁したのは、18歳の時。

寒い冬、忘れもしない、、、センター試験の数学の時間であった。

私は当時、数学にはかなりの自信があり、模試で90点より低い点数はとったことは無かった。

だけど本番、あまりの緊張のためか、それとも自分の苦手なツボがあったのか、2問目でどうも読み解けない問題とぶち当たり、まさか、と一瞬思考が停止した。

数学で問題を飛ばすという経験が無かったので、その問題にこだわった末、予想以上に時間を掛けてしまい、改めて時計を見て、完全にペース配分を間違えたことに愕然とした。

心底、焦りに焦った。

すると人間の脳は不思議でドンドン追い詰まって、働かなくなる。

手先は痺れてきた。

途中でもよおしてきた尿意もさらに焦りに輪をかけて、遂に最後の数問までたどり着いた時には、もう数分しか時間が残ってなかった。

私が受けようとしていた国立大は当時足切りというのがあって、1科目も落とすことは許されない。

やばい、どうしよう、尿意も爆発しそうだ、トイレに行く時間もない。  

間に合わない、間に合わない、間に合わない、あ~~、

気づいた瞬間、私は全てを解放してしまっていた。

突発的に自律神経が壊れた感じだった。

一瞬のできごとだった。

人生で初めて、おしっこを漏らしてしまった。

それも公共の場。

それも人生で一番大事だと思っていた試験本番に。

しかも私はもう18歳、、

でも唯一良かったのは、椅子から滴り落ちなくて、誰にも気づかれなかったことだ 笑 

今思うと、それだけは本当に良かった。より拭い去れないトラウマになっていたはずだ。。

しばし、何てことをしてしまった、、と思ったが、今は1問でも終わらせねばと集中することだけを意識し、無我夢中に解いて時間を終えた。

でも、最後の2,3問は間に合わなかった。 

その後、濡れた椅子をティッシュでふき、休憩時にトイレ個室でパンツを脱ぎ、ポケットに入れて、その後の試験はノーパンで受けきった。

まさかのノーパン受験である 笑 

その後の科目は開き直ったからか(股間がスースーしたが)はかどったものの、帰りの失望感は今思い出しても、その自己喪失感は半端なかった。

私はここに照準を合わせて、高校2年の途中、野球部を辞め、1年半、1日10時間近く勉強してきた果てのこの本番。

なんで!なんで❗️なんで‼️

その夜、母に気づかれないように、洗って濡れたパンツを服と服の間に押し込んだことを覚えている。

「どうだった?」と母に聴かれた時、私は思わず泣きそうになったのを堪え、「まあ」と俯いて、

外に出て、ひとしきり泣いた。

これが私の人生唯一の失禁体験である。

その後、私は足切りは逃れたものの、目標とした国立大に落ち、唯一受かった私大に入った。

この経験には後日談がある。

2年前、私の長男が中学受験に失敗した時のことだ。

1校受験だったこともあり、極度の緊張だったと思う。

受かる可能性は五分五分だったけど、当日、何の因果か彼は算数でつまづき、大誤算の失敗をした。

合格発表当日。

私と妻はこの1年の彼の頑張りと志望校への想いを考えるとどうにか受かって欲しいと祈っていた。

彼が小学校から帰る前にネット通知が出て、2人でおそるおそると開くと、彼の受験番号は無かった。

妻はぽろぽろと泣きだして、私もしょうがないよ、と慰めているうちに、涙が溢れてきた。

長男には、結果がどちらでも自分が自分で結果を見たいから、言わないでくれと言われていた。

そして彼が帰ってきた。

妻は泣き晴らした顔を見せまいと、待ってる時間、洗顔をして、化粧し直して、自然な表情を必死に繕おうとしていた、、

そして、彼が結果通知を開いた。

しばし、見つめて、

「やっぱり駄目だった」と小声で呟いた。

長男は涙をぐっと堪えていた。

その必死に受け止めようとしている彼の表情を見て、また涙がこみ上げた。

まもなく、次男が帰ってきた。

明るさいっぱいに「どうだった!?」と飛び込んで、首を振った妻の姿で、次男は言葉を失った。

そして、今にも泣きそうな表情で俯いた。

しばらく皆でひとしきり落ち込んだ後に、私はどうしても受かりたかった大学に、おしっこを漏らして落ちてしまった話をし始めた。

最初は、長男もこわばった表情で、パパは何でこんな話をし始めるのだろうと不可思議な表情で見ていたが、

私もできるだけ面白可笑しく話そうと努めて、

最後「いやあ、まさかノーパンで受験すると思わなかったけどな!」といったら、長男は初めてぷっと噴き出すように笑った。

その後私は「どうしても行きたい大学だったけど、もしその大学に行ってたら、ママには会えてなかった。だからお前たちも生まれてなかったんだよ」という話をした。

「だから今思うと、おしっこ漏らして良かったよな。〇〇(息子の名)も今、行きたかった学校に落ちて残念だけど、人生、何が自分にとって財産になるかわからない。この1年の頑張りは絶対に活きてくる。そして強くなれる。だから悔しいけど、パパもママも支えるから、またがんばろう」と伝えると、

「うん」と彼は頷いた。

これが私が初めて、自身の失禁体験を家族に伝えた時である。

面白かったのは、当時小学3年の次男が「なんでパパが、ママと出会わないと、僕たちは生まれなかったの?ママのお腹から生まれるんだから、関係ないじゃん」と素朴な疑問をぽつりと言った。

事情が分かる小6長男はにやりと笑った。

私は「それはね~、まあ、今度ね」とごまかした笑 

妻も泣きながら笑っていた。

その夜にお祝いできるよう、妻が用意していた焼き肉を、皆で言葉少なく、しみじみ食べたひと時が心に残っている。

なぜ、この話をしたくなったか、私にはよくわからない 笑 

ただ、最近思うのは、打ち明け話というのは、より自分の日々抑えている豊かな感情を解放する感覚がある。

映画レビューをしながら、いつのまにか、自分の人生について想起する。

そして、その映画と人生があざなえる縄のごとく、自分の人生を後押ししてくれるような気がする。

だいぶ私の話が長くなってしまったけど、この「愛を乞うひと」における原田美枝子の凄みに漏らしてしまった彼女のように、

そしてあの時の私のように、ひとりでも多くの人に失禁体験を、、して欲しいわけではない 笑 

ただ映画っていうのは、観ることによって、普段抑えつけてきた感情を思い切り解放できる、、本能が露わになる。

みんな必死に繕って、かっこつけて生きていても、人間は一皮むけば、みんな一緒。

哀しみや、喜びや、情けないことが露わになった時、体裁や恥ずかしさを超えて、本来の自分に気づく。楽になれる。

あの時もある意味スッキリしたけど、今もスッキリしている(笑)

振り返ってみると受験で漏らしてしまったこともあの時、咄嗟に長男を笑わせる話題となったのだから、今では本当に良かったと心から思う。

本当に、本当に、良かったと思う。

追記

そして、あれから3年が経って、また試練の年がやってきた。

しかも今年は長男が大学受験。次男が高校受験。

どんな結果になろうとも、私は息子たちのすべての感情を受け止めるつもりだ。

(了)

以前頂いたコメントは保存させて頂いていますが、一部プライバシー的な内容を除いてコメント欄に転記させて頂きますね🙇‍♂️

このレビューを書いてから3年が経ちダブル受験の年がやってきました。この時、感じた想いがこれから8か月の間、息子たちを支える指針の糧となっています。

ということで、

2020年5月18日 22時39分 私、シネマエッセイストになりました 笑

noteブログ「愛を乞うひと」とあの日のこと

https://note.com/qone0205/n/n02e140b57ab8

よろしければ、フォロー頂けますと嬉しいです🙇‍♂️

ただ、あくまでホームグラウンドはこちらfilmarks です!笑

そもそもnoteってされている方っているのかしら?

されている方や観たことある方是非、やり方ご教示ください 笑