こたつむり

グリーン・デスティニーのこたつむりのレビュー・感想・評価

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)
2.0
♪ Try hard my desiny 負けられない
  狙いを定めて 旋風起こすのよ

20世紀最後の大作。
数多の映画賞を受賞した作品。
…という評判から期待しすぎたのでしょうか。眠気が全てに勝る作品でした。

何よりも視点の置き場所に悩むのが難点。
クレジットで言えば主人公はチョウ・ユンファなんでしょうが、どうにもこうにも存在感が薄すぎ。どちらかと言えばミシェル・ヨーのほうが登場場面は多いと思います。

だけど、一番はチャン・ツィイー。
長めの回想シーンまでありますからね。彼女の物語として捉えた方が良いのですが…あまりにも自由奔放な性格でついていけません。

また、目玉であるワイヤーアクションも微妙。
というか、ぶっちゃけ「あれは舞空術ではないか」と思うほどに空を飛びまくりなんですよ。もしかしたら、製作者は『ドラゴンボール』が好きなのかな。

それと「山頂から飛ぶ」なんて台詞にも吃驚。
もしかしたら『ドラゴンボール』と言うよりも『風馬の小次郎』が下敷きなのかも。闇鬼が霧風に倒される場面は80年代屈指の名バトル。きっと、そのオマージュなのでしょう(妄想ですよ)。

確かにタイトルからして剣の名前ですからね。
連載当時、日本が二つに分かれたと言われる伝説の“聖剣戦争”に影響を受けたのは間違いなし。形状からして鳳凰天舞がオリジナルでしょうか。あの中では一番格好良い聖剣でしたからね。納得の選択です(妄想ですってば)。

あー。そう考えると。
劇中で最も盛り上がる“あの二人”のバトルは、小次郎と華悪崇皇帝の対決を模したもの。鳳凰天舞は他の聖剣を圧倒する実力。普通の武器では太刀打ちできないのも当たり前なのです(だから、妄想ですってば)。

ただ、欲を言うならば。
飛鳥武蔵の要素も取り入れてほしかったところですね(まだ、言うか)。

まあ、そんなわけで。
中国版『風馬の小次郎』…というのはウソですが、そのくらい大味なのは間違いない作品。頭を空っぽにして臨んだ方が良いと思います。少なくとも考えたら負けですね。
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