たむ

カラビニエのたむのレビュー・感想・評価

カラビニエ(1963年製作の映画)
4.0
非常に珍しい戦争を舞台にしたゴダール監督の戦争映画です。
戦争が題材になっていることは多々ありますが、憲兵によって徴兵された兄弟が戦場で繰り広げる、フィクションと実際の戦争の映像をコラージュする手法で戦争を描きます。
この兄弟が戦場で行うことの残酷さは、他のゴダール監督の映画の中でも例がないほど、ブラックな笑いにも転換される純粋な描写です。
純粋だからこそ、戦火における人間の本性としての残酷さ、冷酷さ、深い思考のなさが露呈していきます。
相変わらずコラージュで難解な印象はありますが、幼く感じてしまう兄弟の行為にゾッとする映画です。

その兄弟の帰りを待つ姉妹の1人が、アナ・デ・アルマスさんに似ています。
ただそれだけなのですが、今観るとそれも印象に残ってしまう映画ですね。
たむ

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