じゅんP

ディファイアンスのじゅんPのレビュー・感想・評価

ディファイアンス(2008年製作の映画)
3.8
WWⅡ戦中のポーランド。ユダヤ人狩りから逃れ、森の中にキャンプをつくり、わずかな物資と武装で抵抗を続けた人々。その在り方に苦悩しながらも、キャンプを統率したビエルスキ兄弟の物語ーー

based on a true story

持てる選択肢があまりにも少ない極限状態。身体よりも先に精神が殺されるような厳しい環境での、単に死を先延ばしにするためではなく”生きる”ための闘い。
余白も余裕も失われた世界で歪みはよりハッキリと浮かび上がり、人の心をキツく縛り上げる。

…ちょっと元も子もないこと言うと、ダニエル・クレイグ頼もし過ぎますね。話が進むにつれどんどん衰弱してはいるんですけど、キャンプでの困窮した生活に不満を募らせた反逆者への対処なんてほぼMI6、いざとなったらメンタルもフィジカルも強靭そうで…。

何度となく裏切られ、何度も絶望の淵に立たされてなお、微かに残る人間らしさにすがり、懸け、託し、繋ぐ。実話ベースの重みと、波打つ感情の到達点がもたらす静かな衝撃。
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