福福吉吉

ギフトの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ギフト(2000年製作の映画)
3.0
夫を亡くしたアニーは3人の息子を育てるため、人の運命を見抜く能力を使って多くの人にアドバイスして寄付を貰っていた。アニーは夫のドニーの暴力に苦しむヴァレリーにアドバイスをするのだが、それがそのドニーの怒りを買い、アニーもドニーに脅されることになった。そんな中、町の有力者の娘ジェシカが行方不明となり、保安官からアニーにジェシカの行方を捜すため、協力を依頼される。

人の運命を見抜く力を持つアニーが他者からの偏見に耐えながら人の失踪事件の解決に尽力する姿を描いており、基本的に重さを感じる作品でした。

主人公のアニー(ケイト・ブランシェット)は人の運命を見抜く力で町の人々の相談に乗ってあげている基本的に優しく真っ直ぐな人物なのですが、彼女の人生の立ちまわり方が非常に危うく感じました。相談に乗った相手から料金は貰わないが、寄付は貰うというやり方は変な宗教のように見えて仕方なかった。そして彼女自身は善かれと思って助言するのですが、そのタイミングでそれを言うと疑われても仕方ないと思うシーンが多くありました。他人の運命を見抜く力があっても自分の助言が他人にどのような影響を及ぼすかが見えていない怖さを感じました。

DVの夫のドニーをキアヌ・リーヴス、その妻をヒラリー・スワンクが演じており、かなり豪華なキャスティングのように感じました。キアヌの悪役もなかなかハマっていて良かったです。ドニーは怒るとすぐに相手を殴るのですが、女性相手でも平気なところが鬼畜生のように見えました。

ラストに意外性が無く、あっさり終わった感じでした。アニーの能力は特殊だから、納得する以外の道が無かった。

少し陰湿な雰囲気の続く作品で、観ていて辛い時間もありましたが終わってみればそこそこ楽しめたと思います。

鑑賞日:2023年5月23日
鑑賞方法:U-NEXT
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