戦時下の国策映画 であるのに、現在 観ると
不思議と戦争を高揚させる効果などなく、
戦争の重苦しさ を感じさせる 作品として 検閲を 潜り抜けるため、
黒澤明としては ”リアリティ” を 追及したのだろうか。
暗く 重々しい 空気に、
乙女達 の 太鼓・笑い声 は 不気味に響く。
社会や大人達 の都合で 若い彼女達の ”学び” の機会を奪い、
殺戮行為への共謀としての 労働を強制する 戦争という ”大人の犯罪性” を描く。
工場長 以下 職員の相談ごとは 収容所の看守 ごとく
彼女達 を 囚人として扱い、 彼らは 監視以外 何も 労働を
しない存在。
芸術家が 戦時下において 戦争協力させられた作品が、思想として永遠に残されてしまう悲劇がある中。
”国策映画” として ”反戦映画” が作れたのは 黒澤明の
才能 かもしれない。