※伊藤かりんの卒業を知ってレビューが荒れています。
No.995[キリスト教徒でない人がミサに参加した時の感覚に近い] 60点
ドランでもルグランでもないグザヴィエ、そうボーヴォワである。という小ボケは置いとくにしても、"隣人愛を説いた者が隣人に殺される"というテーマに対して実話で挑んだせいで腫れ物に触るような態度になってしまって子守唄化が加速した感じが否めない。主人公たちを英雄的に描かないとか、現地の普通の人々は優しく描くとか、色々忖度しまくった結果、ホントに修道院の生活みたいなもっさりした退屈な映画が出来上がってしまったのだ。キリスト教徒でない人がミサに参加した時の感覚に近いような気がする。
隣人愛とは意地悪な言い方をすれば"誰にでもいい顔をする"ということに他ならないのだろうか、と少し悲しくなった。宗教者はこれくらいガチガチの真理の中に生きて欲しいと私は勝手に願っている。
ちなみに、ラストの雪山はホントに蛇足。